皆さんは病棟やICUでNHF(ネーザルハイフロー)を見たことはありますか?
近年、呼吸管理の分野で注目を集めているネーザルハイフロー。
特に、慢性呼吸器疾患や急性呼吸不全の患者に対して効果的な治療法として広がりを見せています。
そんなNHFについて何も知らないという方も大丈夫です。
「ネーザルハイフローってなに?」
「臨床工学技士としてどう関わるの?」
と思っている方も安心してください。
不安なことやわからないことがあればこの記事を参考に知識を付けてください!
- ネーザルハイフローについて
- 通常の酸素療法との違い
- メリットと注意点について
ネーザルハイフローとは
ネーザルハイフロー(Nasal High Flow)は、高流量の酸素を鼻から供給する治療法です。
つまり、鼻からたっぷり酸素を送り込む治療法のことです。
通常の酸素療法と異なり、高流量で酸素を届けられることが特徴で、
加湿することも可能なため、喉や鼻が乾燥しにくく、より快適な酸素供給が可能です。
私が初めてこの機器が動いているのを見た時は
「こんなに勢いよく空気が流れているんだ!」と実感できるほど高流量です。
回路構成と主な特徴

ネーザルハイフローを使用するためには専用の機器が必要となります。
主な部品については以下の通りです。
- 本体(加温加湿器)
空気を温めて湿らせる装置、温度は37℃程度に設定されていることが多い - 加湿回路
温かい空気を患者さんの鼻まで運ぶ - 鼻カニューラ
鼻に装着する柔らかい部品、通常のものよりは太め - 酸素供給源
病院の壁から出る酸素やボンベと接続する
これらの部品を組み合わせることで図のような回路構成で使用することができます。
実際に触れてみることで回路が加温されているということが実感できます。
また、ネーザルハイフローの特徴としては以下の通りです。
- 高流量供給: 最大60L/minの酸素を供給でき、患者の呼吸をサポート
- 加湿機能: 加湿された酸素を供給することで、気道の乾燥を防ぐ
- 温度調整: 温かい酸素を供給することで、患者の快適性を向上させる
通常の酸素療法との違い
ネーザルハイフローについてある程度理解したところで通常の酸素療法との違いはいったい何なのでしょうか?
「酸素をあげるなら、鼻カニューラで十分じゃない?」
と思う気持ちもわかりますが、この違いについて表にまとめました。

ネーザルハイフローはたくさんの空気を送り込むことのできる医療機器であるため、
肺の中の酸素が届きにくい部分を減らすことができます。
これは通常の酸素療法では流量が少ないため不可能です。
そのため、ネーザルハイフローは肺の洗い出しに使用されるとも言われています。
適応疾患
ネーザルハイフロー療法は、以下のような症状を持つ患者に適応されることが多いです。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺炎や気管支炎
- 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
- 術後の呼吸管理
とくに術後の呼吸管理として、抜管後の再挿管予防目的使用は特に多いです。
当院では少しでも再挿管のリスクがある場合はネーザルハイフローの使用が推奨されていいます。
メリットと使用時の注意点
ネーザルハイフロー療法には多くの利点があります。
- 快適性の向上: 高流量の酸素供給により、患者はより快適に呼吸することができる
従来のマスクと比べて、圧迫感が少なく、長時間の使用が可能 - 呼吸補助: ネーザルハイフローは、患者の自発呼吸をサポートし、呼吸努力を軽減する
呼吸不全のリスクを低下させることができる - 酸素濃度の調整: 患者の状態に応じて酸素濃度を調整できるため、個別化された治療が可能
- 気道の保護: 加湿された酸素を供給することで、気道の乾燥を防ぎ、粘膜を保護する
その一方でいくつか注意点もあります。
- 適切な設定: 患者の状態に応じて流量や酸素濃度を適切に設定することが重要
過剰な流量は不快感を引き起こす可能性がある - 感染管理: 使用する機器やチューブの清潔を保ち、感染リスクを最小限に抑えることが重要
臨床工学技士の役割
では、臨床工学技士としてネーザルハイフローにどう関わるのかというと、以下の3点があります。
- 機器の準備
設定を確認し、空気が加温加湿されているか確認 - トラブル対応
使用時の問題対応 - 患者さんへの説明
使用時の患者さんの不安軽減
特にトラブル対応は臨床工学技士としての技量が試されるところでもあります。
対応できた際は自身の成長を感じられるため、ぜひ頑張ってみましょう!
まとめ
ネーザルハイフロー療法は、臨床工学技士にとって重要な技術の一つです。
患者の快適性を向上させ、呼吸管理をサポートするこの療法は、今後ますます普及していくため、
皆さんの施設で見かける機会も多くなると思います。
ネーザルハイフローは設定方法やトラブル対応が臨床工学技士としてさらに重要な部分となるため、
次回はこの点についてさらに詳しく深堀していきたいと思います。
一緒に頑張りましょう!